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40kgまでの荷物を1kg刻みで天秤で計る問題

典型的ではあるけれども、天秤で40kgまでの荷物を1kg刻みで計るためには何gの錘が最低幾つあれば良いか?という問題がある。
ここで話題にしたいのはその答えではないから、あっさり答えを言ってしまうと、それは1kg、3kg、9kg、27kgの4つの錘で済む(一応反転しておく)。

これをよく考えてみると、天秤に対して錘は3つの状態を取り得る事が分かる。即ち錘を天秤の左に置くか、右に置くか、もしくは置かないかの3つである。いま、右天秤に計りたい荷物を置くとすると、左天秤に掛かる力が荷物の重力と釣り合うようになれば良い。左天秤に掛かる力が、左天秤にnkgの錘を置けば+nkgw、置かなければ+nkgw、右天秤に置けば-nkgwされるとすると、これは天秤に乗せるnkgの錘に対する重みがそれぞれ+1、0、-1であるという風に考えられる、つまりこれは通常の3進数における重み0、1、2が-1ずつずれた数え方という風に考えられる。
3進数という事を踏まえると、計るのに必要な錘が前述のような4種類に絞られるというのは納得が行く。連続する3つの状態を取り得る事を3進法と捉える事で、3の累乗の重さの錘を用いて任意の自然数が記述出来るという事は、10進数で無い基数で物を数えた事がある人にとっては違和感が無いのではないかと思う。

大した事では無くともこの事に気付いたのでメモとしてここに書き残そうと思ったのであるが、簡単に調べた所、wikipediaの三進法の記事によるとこのような数え方の事を平衡三進法というようである。更に調べると、この事についてより広く面白い観点(有理数を基数とするとどうなるか?)から記事を書いている方を見つけた。僕は数論には詳しいとは言い難いのだけれども、機会があれば図書館で本を借りてじっくりと勉強してみたいものである。

あとこれを言うのは野暮なんだけど、天秤でkg単位の荷物を計る事なんておそらくないから問題の前提からしておかしいし、g単位にしたとしてもそれはそれで精度としてアバウト過ぎるから無いだろうなと思う。所詮問題は問題ですね。